宝塚歌劇 宙組公演「アナスタシア」をライブ配信で観劇しました^^
海外ミュージカルということで、映像や舞台セット、衣装も豪華でした!
2020年の宝塚大劇場の最後の公演となりました。
宙組「アナスタシア」の観劇レポートをまとめました。
目次
宙組公演 宝塚版 「アナスタシア」感想
「アナスタシア」の簡単なあらすじ
ロマノフ王朝の最後の皇帝 ニコライ二世の四女「アナスタシア」
ロシア革命で家族全員が亡くなったはず、だけど「アナスタシア」は生きているというウワサがありました。
パリで生活するニコライ二世の母親 マリア皇太后は、アナスタシアの生存を望み「懸賞金」を出すと公表します。
詐欺師ドミトリーと友人ヴラドは、記憶喪失のアーニャを「ニセのアナスタシア」に仕立ててパリに連れていこうと計画を立てます。
そこに、ロシア革命でアナスタシアの家族を亡き者にと命令に従った父を持つグレブが立ちはだかり。。。
※この先の感想にはネタバレが含まれる可能性がありますので観劇がまだの方はご注意ください。
>>宙組【アナスタシア】あらすじやキャストは?宝塚版の新曲はどんな曲?
ぶっちゃけの感想は、ストーリーに盛り上がりがなく短調なお話に感じてしまいました。
物語の最初でドミトリーがすんなりと街の闇市(?)で、アナスタシアとマリア皇太后の思い出の「オルゴール」を手に入れたあたりから薄々感じていましたが、
あまりにもスムーズに進んでいくストーリーに面白みが全くなかったです。。。
観終わってみて、「どこが山場だったっけ?」というくらいもう一度観たいと思える場面が挙げられず^^;
話の運び方次第で面白くなりそうなのに、「この先もしかしてこうなるの?(ワクワク)」と期待た場面も全部普通に過ぎていく、、、^^;
例えば、ロシアからパリへ出発する場面。ドミトリー、アーニャ、ヴラドの3人それぞれが「駅に集合」するというところ。
「もしかして誰か遅れてくるとか?!」
「アーニャがグレブに見つかるとか?!」
とハラハラしたんですが、全くもってスムーズに全員が合流しました。
別にゴタゴタを期待している訳ではないんですが、「あれ?もうパリにいけちゃうの?」という拍子抜けな展開。
列車は追っ手から逃げるために途中下車しましたが、そこもすんなりと逃げられて無事にパリへ。
1幕がこれだけスムーズなので、2幕に期待していましたが同じようにスムーズな展開ばかりでした。
ブロードウェイ版のストーリーのままなのかは分からないですが、
宝塚版「アナスタシア」は、アーニャが主役ではなくドミトリーが主役!
ドミトリーが中心で、宝塚バージョンを全面に出すために「潤色」が光るストーリーだったら良かったなと思いました。
個人的には、ストーリーも含め演出なども(セットは豪華だし)もうちょっとなんとかできたんじゃないかと思ってしまいました^^;
「アナスタシア」を観て物足りなさを感じたのは
- アーニャの記憶喪失が戻ったのかどうか
- ドミトリーの幼い頃のストーリーの伏線の弱さ
- ヴラドとリリーの関係性
- グレブの存在感があるようで「いなくてもいいキャラなんじゃないか」疑惑
- 1幕終わりの演出の残念感
ラスト前、アナスタシアとマリア皇太后が和解してこれで「めでたしめでたし^^」かと思いきや、グレブの暗い影が付きまとい、「長いな、、、」と後半は感じてしまいました。
キャスト・セット・音楽(久しぶりの生オケでした)・衣装はとっても良かった!のに残念です。
>>【宝塚専科】星蘭ひとみ退団の理由はドラマ出演が影響?卒業後は女優?
宙組「アナスタシア」キャストと見どころ
主な登場人物は、6人
- 詐欺師のドミトリー:真風涼帆
- ドミトリーの友人、元貴族のヴラド:桜木みなと
- 記憶喪失のアーニャ:星風まどか
- ロシア警察のグレブ:芹香斗亜
- 孫娘アナスタシアを探すマリア皇太后:寿つかさ
- マリア皇太后の侍女リリー:和希そら
この6人の他には、あまり目立ったキャラはいません。
アナスタシアの家族たちも登場しますが、劇中ではあまり家族構成について話がありません。
父 と母、弟は見分けが付きますが、長女、二女、三女は全く見分けがつきません。
ドミトリー:真風涼帆
詐欺師なのにイケメンで爽やかな印象でした!
初対面ではアーニャに嫌味を言っていましたが、嫌われるような性格の人物という感じでもなかったです。
2幕でのバレエ鑑賞の場面でのタキシードが最高に似合っていました!
宝塚版だけの新曲もステキでした^^
悪態をついたり、口汚い言葉も真風涼帆さんが言うと全くそんな風に聞こえなかったです^^;
アーニャ:星風まどか
芯の強い真っ直ぐな女性の役、とってもピッタリとハマっていました!
ドレスの着こなしもステキでキレイでした^^
自分を取り戻したい一心で「アナスタシア」を一生懸命に演じている姿に、アーニャの焦りが見えて応援したくなりました。
アーニャの繊細な心の動きが見えていて演技が光って見えました!
グレブ:芹香斗亜
ロシアのために規律を守る真面目な仕事人!
好意を寄せているアーニャが「アナスタシア」かもしれないという葛藤が切ない。
苦渋の選択して悩みに悩むグレブの胸の内が伝わってくるようでした!
そんなグレブですが、コミカルな場面もあってそのギャップが最高でした!
アーニャに気に入られようとしたのか「冗談も言うんだよ」と仕事机の上の電話を取ると、
『来年の東京宝塚劇場の「アナスタシア」初日のチケットを1枚、、、、』
アーニャ役の星風まどかさんに小声で「一緒にいく?」と聞き「二枚お願いします」とアーニャの分までチケットを手配してくれました(笑)
何度も「行く?行く?」と聞かれて「はい」とはっきり答える星風まどかさんにも笑ってしまいましたw
これは千秋楽用のアドリブなんですよね、毎日アドリブ言っていたのかと思うととっても最高でしたw
ヴラド:桜木みなと
明るくて前向きな落ちぶれ貴族、ヴラドがいるだけで場面が賑やかになるので和みました^^
そして、お髭がよく似合ってました^^
かつて貴族だったこともあり、振る舞いや言動がドミトリーとの違いが理解る良いキャラでした。
物語の重要な役どころとしては、マリア皇太后の侍女リリーと昔は恋仲だったこと。
元伯爵夫人と一般人との恋模様、もっと詳しく聞きたかったです^^
風貌からして40代くらいの年齢かなと思うんですが、ダンスや歌で飛んで跳ねている姿がとっても可愛かった!
こんな愛らしいおじさまキャラ、なかなかいないんじゃないかと思いました^^
リリー:和希そら
我の強い女性の役は男役が演じるととってもしっくりきますね^^
侍女として仕事熱心でマリア皇太后の気持ちに寄り添う姿と、バーで踊りまくる姿がどちらもよく似合ってました!
まわりの娘役よりも立ち振舞いなどが「男」が少し残っていてもこのキャラならいい感じでバランスが取れていると思いました。
歌がとっても上手いので、もっと歌の場面があると嬉しかったです^^
そして足がキレイ!!
ラストまでリリーというキャラがブレなかったのも和希そらさんの役作りの上手さじゃないかなと思いました!
マリア皇太后:寿つかさ
孫娘を思う祖母、だけども皇太后だからわがままで偏屈な雰囲気がしっかりと出ていました。
マリア皇太后の歌うシーンも結構あったので、観終わってみてとってもいい役だったんだなと改めて思いました。
厳格なお方が怒るとこんな雰囲気なんだ!とリアルに感じたドミトリーとの対峙シーン。
かなり凄みがあって怖かったです^^;
一転、アーニャと和解したときのおばあちゃんの顔がとってもステキでした^^
個人的には、ドミトリーたちがパリの劇場でバレエ鑑賞をしたときの「白鳥の湖」のキャストのダンスの上手さに驚きました!
オデット役の潤花さん、ジークフリート役の亜音有星さん、そしてロットバルト役の優希しおんさん!
くるくると回る回る!
お家でライブ配信で観ていたんですが、自然と拍手をしていました!
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宙組「アナスタシア」映像やセットが豪華!
本家の「アナスタシア」でもスクリーンに映された映像がとってもキレイだったので、宝塚版も期待していました^^
期待どおりのステキな映像に、ロシア、パリと舞台の雰囲気がガラッと変わってしっかりとストーリーに入り込めました。
場面転換などもスムーズだし、どの場面でも「アナスタシア」の世界観が理解るセットもステキでした^^
宙組「アナスタシア」フィナーレ
最初に桜木みなとさんが登場して、「アナスタシア」のテーマ曲を銀橋を渡りながら歌ってくれました。
続いてロケット!
お衣装がパリを思わせる3色の淡い色合いで可愛かったです!
ロケットの人数は少なかったんですが、とっても力強いラインダンスでした^^
キャストが額縁に入ったような縁取りのある薄い幕での演出がステキでした!
中央に真風涼帆さん、周りに娘役たちと、大階段を使ってのシーンもステキでした。
男役たちはロシアの貴族風の衣装で登場して、群舞がスタート。
真風涼帆さんがステージを去ると、娘役たちも混ざって男女で群舞となりました。
デュエットダンスは、星風まどかさんは下手の花道から登場!
そこから中央へ移って真風涼帆さんとダンス。
銀橋へは左右に分かれて中央に行くのではなく、一緒に中央までやってきました。
フィナーレでは、再び「アナスタシア」の衣装に着替えて、お役の持ち歌を歌って降りてきました。
グレブあたりからは「こんな衣装は劇中では着ていなかった」というお決まりの豪華衣装でしたw
星風まどかさんは劇中の青のドレスだったのでこれも意外な展開でした!
ドミトリーとは全く関係ない衣装でラストの大階段を降りる真風涼帆さん、爽やかな笑顔はドミトリーの顔をしていました^^
カーテンコールは3回。
最初に組長 寿つかささんから今後の宙組の日程のお知らせ。
今回の公演では退団者はいませんでしたが、この公演で娘役トップスター星風まどかさんが専科へ移動となるので寂しい気持ちもあったと思います。
そして、星風まどかさんの挨拶がありましたよ。
最後に真風涼帆さんが登場。
ライブ配信、映画館でのライブ中継の人たちへ向けたメッセージ、嬉しかったです^^
最後は「フォーエバータカラヅカ」を歌っていました。
>>宝塚歌劇フィナーレの大階段の段数や幅は?どんな仕組みでいつからあるの?
宙組「アナスタシア」あらすじとラスト
「アナスタシア」あらすじ
ロシア革命でロマノフ王朝は滅びたはず。
なのに街中でウワサされる「末娘アナスタシアが生きている」ということ。
パリには皇帝ニコライ二世の母親 皇太后マリアがアナスタシアの行方を気にかけています。
アナスタシアの捜索に懸賞金が掛けられたことで、詐欺師のドミトリーは友人のヴラドとニセ者のアナスタシアを作り上げてパリへ連れていこうとニセモノ候補を探し始めます。
サンクトペテルブルクで掃除婦として働く記憶喪失のアーニャは、「パリに行く」という微かな記憶にすがって生きていました。
アーニャと街角で偶然出会ったロシア警察のグレブは、彼女に一目惚れ。
ドミトリーに聞けばパリへ行くことができると聞き訪ねていくと、「泳いでいくといい」とからかわれてしまいます。
友人のヴラドは、ドミトリーとアーニャのやり取りを見て、彼女の振る舞いの美しさに気づきます。
ドミトリーとヴラド、二人の企みなど知らずにアーニャはパリに行くために「アナスタシア」になるレッスンを重ねていきます。
「ニセモノのアナスタシア」について情報を得たグレブは、
アーニャにまた会えて嬉しい反面、警察として「このままでは死んでしまう」と忠告をします。
お金を工面してパリ行きが決まったドミトリー、ヴラド、アーニャ
パリ行きが叶いホームでロシアへ別れを告げ、列車に乗り込みます。
パリでは、ヴラドがかつて恋人だったリリーを訪ねることに。
リリーは、マリア皇太后の側近として仲介役をしていました。
リリーに会い、昔と同じように恋人に戻った二人。
マリア皇太后に面会が叶うことになります。
夢にうなされて起きたアーニャは、ドミトリーと話すうちに小さなころに二人は出会っていたことがわかります。
賑やかなパレードで、アーニャは馬車に、ドミトリーは群衆をかき分けてプリンセスを観にやってきていました。
このときドミトリーが丁寧なお辞儀をしてくれたことを覚えていたアーニャ、
ドミトリーはアーニャのことを「アナスタシアであってほしい」という想いが強くなります。
パリの劇場でのバレエ鑑賞に来たマリア皇太后とリリー、そしてタキシード姿のドミトリーとドレス姿のアーニャ。
マリア皇太后は「ニセ アナスタシア」に騙されてばかりでウンザリしていたこともあり、アーニャの顔も見ずに面会は終わり。
マリア皇太后に悪態をつくドミトリーでしたが、このことが引っかかりマリア皇太后はアーニャに突然会いにいきます。
アナスタシアしか知らないことを知っているアーニャ、それでもマリア皇太后は認めようとはしません。
家族を失った悲しい出来事を経験したふたりは、言い合いながらも心を通わせていきました。
オルゴールの音色に合わせて歌うアーニャとマリア皇太后。
マリア皇太后のオレンジの香水の香りがアーニャを懐かしい気持ちにさせるのでした。
「アナスタシアが見つかった」ことで、グレブはロシア警察としての仕事をこなさなければいけなくなりました。
マリア皇太后と一緒に行う記者発表の日、グレブはアーニャを亡き者にしようとしますができませんでした。
記者会見の時間が迫ってもやってこないアーニャ、マリア皇太后は会見で「懸賞金を寄付する」とアナスタシアが見つからなかったことを告げました。
そしてグレブも「アナスタシアは存在しない」とロシアへ報告をします。
パリの橋の上、ドミトリーを呼び止めたドレス姿のアーニャは「ファーストキスはステキなプリンスに決めていた」といいます。
想いが通じ合った二人、橋の上では幻となったアナスタシアの父母、姉弟たちが二人を囲んでいました。
宙組「アナスタシア」観劇レポートまとめ
宝塚歌劇 宙組公演「アナスタシア」の観劇レポートをまとめました。
キャスト、衣装、セットなど良いところが多かった分、ストーリーの物足りなさが残念でした。
観劇が終わって今でも「ここをこうすれば、、」という妄想が止まりません。
ドミトリーもアーニャもとってもぴったりなキャスティングだっただけに残念でした。
ロマノフ王朝についても知る機会ができたので、他の作品などの時代背景など知っておきたいなと思っています。