宝塚歌劇 花組「銀ちゃんの恋」千秋楽をライブ配信で観劇しました。
昭和の映画撮影所、映画スター「銀ちゃん」と大部屋俳優で銀ちゃんの子分「ヤス」との絆の物語!
2010年宙組公演以来の11年振りの再演となった花組「銀ちゃんの恋」の観劇レポートをまとめました。
目次
花組「銀ちゃんの恋」感想
- 観劇日:2021年9月10日(金)千秋楽
- 劇場:梅田芸術劇場シアタードラマシティ
- 主演:水美舞斗
- 演出:石田昌也
「本日はお越しくだせぇやしてありやとうごさいます」という銀ちゃん風の場内アナウンス!
「銀ちゃんの恋」が始まる前から楽しい気分にさせてくれました^^
ちなみに終演後も銀ちゃんがお客さんのお見送りアナウンスをしてくれてました!
昭和の銀幕スター 倉岡銀四郎こと銀ちゃん(水美舞斗)の映画人生をかけた新選組の土方歳三役を見届けました!
銀ちゃんが主役ですが、子分のヤス(飛龍つかさ)の出番も多くて話の内容としては銀ちゃんの恋よりも、「ヤスの恋」というタイトルでもいいのかもと思いました。
でも、新しい恋に敗れて元カノの小夏(星空美咲)と寄りを戻したがってるところ、「銀ちゃん、本日も反省の色なし」というサブタイトルがぴったり合ってると思います^^;
昭和の雰囲気があふれるセット、とても良かったです。
映画の撮影所の雰囲気や銀ちゃんの子分ヤスの住む四畳半のアパート、銀ちゃんが通うスナックと昭和にタイムスリップしたようなセットは良かったです。
ちなみにヤスのアパートの台所には「スミ レモン」という名前の食器用洗剤が置いてありました^^
ライブ配信で見れたからこそ、小道具もしっかりと見えて楽しかったです^^
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撮影カメラが撮る俳優たちの姿が舞台上に左右2つあるスクリーンに映される演出、良かったです^^
その撮影カメラに収まりたい銀ちゃんの姿がとても可笑しかったです!
焼き肉屋さんでのシーンでは、銀ちゃんのグラスが落ちてしまってまたビールをつぎ直す子分のトメ(峰果とわ)の焦っている姿に客席から笑いがおきてましたw
衣装も昭和の雰囲気がたっぷりで、ヒロイン小夏が着ていた手編み風のカーディガンやマフラーが可愛かったです^^
当時の映画スターたちの映画への想いや芸能界の厳しさなど、スターとして生き残るために「カニ缶」を偉い人に贈るという戦法、やけにリアルでしたねw
銀ちゃんのライバル橘(帆純まひろ)や映画会社の専務(航琉ひびき)、秘書(美風舞良)の脇を固める人たちも銀ちゃんとの関わりがしっかりとあるし、個性のあるキャラ多すぎでしたw
ただ、話のテンポがいいのに場面転換が多くて暗転、暗転が続いたりとちょっと気持ちが途切れそうでした^^;
銀ちゃんがまくしたてるようにしゃべるところや、大勢での会話の間も急ぎすぎてるのかな、と思うところがチラホラありました。
ここは笑いどころだよね、というところで掛け合いなのにうまくハマっていない感じで「あとちょっと!!」と思う惜しい気持ちになる場面も多々ありました。
ラストの「階段落ち」の階段が最初からよく登場していて見慣れてしまったのか、クライマックスの「階段落ち」の階段の迫力が半減していたような。。。
「階段落ち」の階段に登って下りて、といった風に場面によってダンスに組み込まれていたりで、「階段」の凄みがあまり感じられませんでした^^;
宝塚「銀ちゃんの恋」歴代キャストまとめ
花組「銀ちゃんの恋」キャスト感想
◆銀ちゃん:水美舞斗
主演の水美舞斗さんのスタイルの良さとイケメンぶり、なのに紫や銀色の派手な衣装とのギャップが面白くて「銀ちゃん」の雰囲気がすぐにつかめました。
金、銀、紫にラメのスーツ将棋の駒の柄や花札の柄のネクタイなど、派手な衣装が良く似合いました!
イケメンの顔には何を着せても似合うという証明になったと思いますw
「階段落ち」撮影の直前の橘との会話の途中で「泣いてない」と言いながら大きな目から溢れる涙、感動しました!!!
銀ちゃんから出る言葉や気持ち、水美舞斗さんにしっかりと染み付いて千秋楽を迎えたんだなと感慨深かったです。
◆小夏:星空美咲
銀ちゃんの捨てられてしまう小夏のベテラン女優ばりの雰囲気がとっても良かったです^^
最初に登場したお高く止まった女優の姿から、ひとりの女性として母親として生きようともがく姿にじんときました。
ヤスの故郷で結婚の挨拶をしたときの自治会長(悠真倫)とのやり取り(たぶんアドリブ)もなかなか良かったですw
「アモーレ」と自治会長が言うと、「モナムール」と戸惑いながらも小夏が返していましたw
研3でヒロインを任されていたんだ!と観終わってから気づいたくらい、思い出してみても揺るぎない舞台での立ち姿に驚きました。
小夏という「大女優」「母になる女性」という役を見事に演じていたと思います。
◆ヤス:飛龍つかさ
銀ちゃんの子分のヤス、一生懸命さが伝わる仕草に「頑張って!」と何度も心の中で叫んでしまいましたw
銀ちゃんに尽くすヤスが兎に角いじらしく、甲斐甲斐しくて本当に銀ちゃんが憎く思えてきましたw
ヤスがソロで歌うシーンでは、ヤスの風貌や役柄からかけ離れた美声が聴こえてきてギャップがすごかったです!
セリフのひとつひとつが丁寧に聞こえて、ヤスの気持ちがよく伝わってきました。
コミカルな場面も、シリアスな場面も見応えがあって目が離せませんでした!
橘:帆純まひろ
銀ちゃんのライバル俳優、ちょっと鼻につくけど銀ちゃんの情熱に押される「階段落ち」直前のシーンはグッときました!
映画では坂本龍馬役を演じていていて、長髪もよく似合ってました^^
最初の方のシーンでヒロイン小夏とのデュエットダンスもあったんですが、途中まで「橘」が相手役と気づかなかったです^^;
「これから東京でクイズ番組の撮影なんだ」とか、当時のスターさんのリアルな感じが出ててよかったです。
監督:悠真倫
監督、そして人吉の自治会長までこなす悠真倫さんの多彩さにもあっぱれでしたw
監督の役は2008年の花組以来2度目となる悠真倫さん、余裕の演技だったと思います!
朋子:都姫ここ
銀ちゃんの新しい恋人 朋子さん、いい味出てました。
昭和の若い子ってどんな感じだったのかなと思いつつも、空気読めない感じが良く出てました^^
もっと思いっきり銀ちゃんを振り回してほしかったかなと、少し物足りなさも感じました。
小夏に「若い娘」と言われつつ、小夏役の星空美咲さんは104期生、都姫ここさんは105期生と1期しか違わないことにも驚きでしたw
そして朋子が小夏を「「おばさん」呼びしそうになったと思い出してゾッとしております^^;
花組 全国ツアー2021!
花組「銀ちゃんの恋」ラストの展開はどうなるのか?!観劇レポート
花組「銀ちゃんの恋」、2021年バージョンのラストはこれまでの歴代宝塚版と同じエンディングでした。
「階段落ち」の撮影が始まり、ヤスは銀ちゃんが演じる土方歳三に切られ階段を転げおちていきます。
場面は暗転しますが、フラッシュのようにライトが点滅してヤスが落ちていく様子がわかります。
ゆっくりと転がり落ちていくヤス、が走馬灯のように銀ちゃんと小夏のことを思い出しています。
階段の下まで落ちたヤスは虫の息のように見えます。
役者としてのヤスを最後まで見届けようと銀ちゃんは「カメラを止めるな!」とスタッフに怒鳴りつけます。
「上がってこい!」という銀ちゃんの言葉にヤスは必死に階段を這い上がっていきます。
階段の上段にいる銀ちゃんに手をのばすヤスでしたが、途中で力尽きて仰向けになり階下へ落ちていきます。
銀ちゃんに抱きかかえられながらヤスは「銀ちゃんカッコいい、、、」と一言。
救急車の音、そしてお経の声がする中で場面が変わります。
壁には大きな額に収まるヤスがスカジャンを着て華やかな笑顔の写真(遺影)、そして棺桶。
小夏が赤ちゃんを抱えて、「お父さんは立派な映画俳優だった」と語りかけています。
ヤスの大好きな「蒲田行進曲」を歌ってあげていると、専務が登場。
トメやマコトたちが出棺の準備をしているというのに、銀ちゃんは姿を現しません。
きっと家で飲んだくれている。という専務と小夏の会話の途中で
「俺はここにいる!主役はオレだ!」
と棺桶の中から帽子やスーツに電飾が付いた派手な衣装で出てきます。
すかさず監督が「カット!クランクアップ!」とカチンコを鳴らします。
ヤスが現れると「銀ちゃん、かっこいい~!」と小夏と一緒に笑顔。
銀ちゃんの子分たち、橘、専務や監督も登場して全員で「蒲田行進曲」を歌いながら幕が下りていきました。
花組「銀ちゃんの恋2021」千秋楽あいさつ!カーテンコールも
ライブ配信の日がブルーレイソフトの撮影日でもありました。
水美舞斗さんのあいさつ、とても良かったです^^
「銀ちゃん恋」すべてのキャストの名前を呼んで紹介するなど、水美舞斗さんの粋な計らいに感動しました!
いい仲間たちと一緒に舞台を作ったんだなと本当に感じました^^
カーテンコールは4回ありました。
花組ポーズも披露してくれました!
「花組、最高!!」と言えるのは舞台上の演者のみでしたが、
お客さんは声は出せないけども盛り上がっている雰囲気が画面から伝わってきました^^
「愛が溢れかえってるよね、見えません?」と水美舞斗さん!
愛、ちゃんと見えていましたよ^^
最後は客席の電気が点いた状態で、幕前に水美舞斗さんおひとりで登場。
無事に千秋楽を終えたことで「やっと今日眠れそうです」と本音もポロリ^^;
座長としての責任を果たして清々しい笑顔がほんっとにステキで心までイケメンだなと!!
最後に「みんな愛してるぜ~」と銀ちゃん風に言ってくれました^^
まとめ
花組「銀ちゃんの恋」2021年版の観劇レポートをまとめました。
銀ちゃんのわがままだけど人情深いところや、ヤスの売れない役者ぶりとどこまでも優しいところ、小夏のプライドの高さと普通の幸せを願うひとりの女性としての姿とキャラクターひとりひとりの個性が光るお話でした。
銀ちゃんが最後まで主役、というラストでしたが、まわりのキャストたちもステキに輝いていました。
銀ちゃんのライバル橘でさえ銀ちゃんの気持ちを汲んでくれるという誰も悪役がいないお話で、最後までみて気分が良かったです^^