星組【婆娑羅の玄孫】の感想!轟悠サヨナラ公演の観劇レポート

星組 婆娑羅の玄孫 ライブ配信

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宝塚歌劇 星組公演「婆娑羅の玄孫」ライブ配信で観劇しました^^

専科 轟悠さんの退団公演、とても良かったです!

轟悠さんの宝塚の舞台人としての集大成、素晴らしくて感動しました。

「婆娑羅の玄孫」を観た感想をまとめました。

 

目次

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星組「婆娑羅の玄孫」1幕の感想!

  • 観劇日:2021年7月14日(水)16時公演
  • 場所:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
  • 作・演出:植田紳爾

 

轟悠さんの登場シーンから鳥肌が立ちました!

存在感のある立ち姿、軽快なセリフまわしの面白さ、着物での所作の美しさ、殺陣が優雅なこと!!

「ばさら」という言葉にぴったりの鮮やかな色のお着物、紫や緑、トンボの模様もよく似合ってとってもステキでした^^

とにかく舞台上で轟悠さんが動いているだけで空気が変わるような気がして、不思議な感覚でした!

轟悠さんの愛称「イシさん」を劇中でも愛称として使っていたところも良かったです^^

星組生たちが「イシさん」と呼ぶ姿、とても親しみがあって轟悠さんの役なのか本人を呼んでいるのかわからないくらいでした。

 

「婆娑羅の玄孫」というタイトルは、轟悠さん演じる細石蔵之介の出生からきています。

 

物語は、江戸の長屋で暮らす細石蔵之介(轟悠)が自分の生まれを誇りを持ちながら10年前に自分を捨てた父に複雑な気持ちを抱いている青年のお話。

 

轟悠さん演じる細石蔵之介は、実は徳川将軍に使える旗本の家柄。

次男であったためなのか理由は告げられないまま、本家を追い出され廃嫡となり江戸の長屋でよろず屋をして暮らす身。

父に捨てられたという寂しい想いを抱えつつ、江戸の町で暮らしています。

 

そんな細石蔵之介は、江戸のお役人が町人を困らせていたところを助けてあげるなど、曲がったことが大嫌いな性格。

その腹いせにやってきた江戸のお役人も返り討ちする剣術の達人ぶりも決まっていました!

さらっと殺陣をこなした後に金銀の扇子を仰ぎながら「心地よい涼風じゃ~」と軽やかに笑うところで「細石蔵之介」の人柄が見えました^^

剣術の他にも、長屋の子どもたちに学問を教える博識な人物という非の打ち所がない細石蔵之介は、長屋の人から「イシさん」「イシ先生」と呼ばれていました。

轟悠さんの愛称そのままなところ、植田紳爾先生の粋な計らいがステキ過ぎて感動しました!

 

イシさんの周りには、にぎやかな長屋の住人たちが物語を盛り上げてくれていました。

かわら版の権六を演じる極美慎さんの歌声の楽しさ、画面越しにも伝わってきました^^

長屋に住む魚屋 長太を演じるひろ香祐さんの江戸っ子振りも最高です!

 

イシさんを何かと気にする焼き芋屋のお鈴を演じる音波みのりさんの元気な町娘姿がとっても良かったです!

他にも、イシさんの出生の秘密をしるジイ 彦左を演じた汝鳥伶さんの可愛らしい演技に何度も笑ってしまいましたw

イシさんを慕う寺子屋の子どもたちの元気な掛け合い、女の子も学ぶ場を与えてくれるイシさんの心の広さなど見ていてわかりやすかったです。

 

1幕の見どころは、中国からきた兄妹 真々(稀惺かずと)と麗々(小桜ほのか)が親の敵討ちをしようと奮闘するところ。

真々と麗々はカタコトの日本語でのセリフでしたが、麗々の小桜ほのかさんとっても上手でした!

そして真々を演じた稀惺かずとさんの演技力も良かったです!

存在感のある兄と妹、そしてイシさんの人助けをする姿で物語がしっかりと締まっていたと思います。

 

一幕の途中では夏祭りの場面も登場。

太鼓や笛の音、真っ暗な舞台からチョンパで提灯を持ってひろ香祐さん、極美慎さんが登場。

その後、おかめとひょっとこのお面をかぶった音波みのりさんと轟悠さんの踊りもとても良かったです^^

男女の掛け合いをユーモアたっぷりな踊りで表現するところ、日本のお祭りって面白いなと思わずにはいられなかったです^^

追いかけたり、お面を交換したり、とっても楽しく見ることができました。

 

真々と麗々の敵討ちの情報を得ようとある人物にたどりつくのですが、ここでイシさんとお鈴の意見が割れてケンカに発展!

このケンカの場面もとっても可愛くてよかったです。

あっかんべーするイシさん、イシさんの足を踏んづけるお鈴、二人は仲がいいということが伝わる場面でした。

 

真々と麗々の敵に近づくチャンス到来!ということでイシさんたちは敵地に乗り込みます。

真々と麗々の敵を演じたのは美稀千種さんと天華えまさん。

表ではいい顔をして悪い大人という時代劇には欠かせない悪人、とっても似合ってましたw

敵の屋敷に踊り子として侵入したので、獅子舞も見ることができました!

「婆娑羅の玄孫」では、いろんな舞を見ることができて、とっても贅沢な舞台を観ているんじゃないのかなと得した気分にもなりました!

実際に劇場へ足を運んだ方、羨ましいです^^

そして1幕のラスト、敵討ちのために真々と麗々に敵へとどめを刺させるイシさん、子供扱いをしなかったというところはすごいなと思いました。

だけども、敵討ちを成功させた兄妹の「やったー」と喜ぶ場面は現実ではどうなのかなーとちょっと考えてしまいました^^;

江戸時代のお話なので、、、と気持ちを切り替えて2幕の開幕を待ちましたw

 

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星組「婆娑羅の玄孫」感想!2幕のラストは轟悠の集大成!

2幕、桜が満開の中での舞はお清めをしているような踊りでした。

全身白装束の轟悠さんが塩をまいたり、神主の持ってる紙垂付きの棒でお祓いをしたり。

優雅な舞踊が多いので、気持ちも優雅になってしまいます^^

 

1幕ラストで解決した真々と麗々の敵は、長崎の密輸一味と繋がっていたことでイシさんの大手柄!

江戸の長屋でも大きな話題となっていました。

三代目となった徳川将軍の世の中、平和すぎて民は不満ばかり!

と、かわら版 権六(極美慎)がにぎやかに歌う場面、とってもいい声で見ていて楽しい場面に気分も最高です!!

 

2幕の見どころは、父から見放されたと思っていた細石蔵之介(轟悠)の立場が一転!

本家の佐々木家の長男が亡くなったという知らせをもって昔なじみの西川頼母(天華えま)が長屋を訪ねてきます。

天華えまさん、この舞台では2役を演じます。

今度はイシさんと親しい間柄という役どころです!

1幕とは全く真逆のイシさんを慕う礼儀正しい青年の姿、とってもさわやかでした^^

天華えまさん演じる頼母がやってきた理由は、イシさんを佐々木家当主にするため。

だけども、父に捨てられたことに深く傷ついているイシさんは頑なに拒否!

10年悩んでいた「父に縁を切られた」という想いに複雑な気持ちでいるイシさん。

 

イシさんの苦悩する様子を心配する長屋の人たち、お鈴も心配。

七夕の夜、心配する気持ちを隠してお鈴がイシさんを訪ねてきます。

お互いの気持ちを確かめる二人でしたが、お鈴はイシさんがいなくなってしまうのではと察しているような素振り。

イシさんとお鈴のデュエットは何度もありましたが、この場面が一番すてきだと感じました。

小指を絡めて約束をするような踊り、この後の別れを感じてしまって切なくなりました。

 

長屋に戻ると、ジイ、頼母、そして美稀千種さん演じる俣三がいます。

美稀千種さんも2役目、佐々木家にゆかりのある人物を演じました。

今日もまた「佐々木家当主に」というお願い、当然のごとくイシさんは却下。

 

ここでジイを演じる汝鳥伶さんが覚悟を決めます!

首を縦に振らないイシさんに

『お詫びに切腹をいたします』

と言うと、イシさんは「いつもその手だ」と呆れ顔w

「お別れにごさいます」

というジイでしたが、隣の二人(頼母と俣三)をチラ見w

止めに入らないイシさん。

「若!ごめん!」

と刀を振り下ろし。。。

「あいた!」

血が出た !と騒ぎたてて、そして「うわ~ん」と泣き出すジイ、、、

とっても可愛いシーンでしたw

そんなジイをちゃんと労りにくるイシさんの優しい姿も良かったです^^

 

和やかなシーンはここまでで、ここからはジイを演じる汝鳥伶さんの長台詞!

イシさんが佐々木家と縁を切ることとなった経緯をジイは話してくれます。

徳川幕府も3代目となり、佐々木家当主であるイシさんの父は不安定な世の中を案じていました。

「ばさら大名」の血を感じるイシさんを徳川幕府の窮屈な世界に閉じ込めたくないという思いで「廃嫡」を選ぶことに。

自由で何でも話せるところで育てたいという思い、この思いは「ばさら」を認めることになり徳川幕府への反逆ともなり得るという危険な思想。

「ばさら」の楽しさを江戸の世に知らしめるために、佐々木家から遠ざける決意をした父。

父の想いに涙するイシさんの演技はグッときました!

普段のひょうひょうとしたイシさんとのギャップがたまりません!!

 

初めて聞く話に涙するイシさん、父の想いを知って決意を固めます。

ここで権六が登場、外に怪しい人影を見たとのこと。

権六、いい仕事してくれます!

 

ここから殺陣の場面、イシさんの優雅な殺陣とジイの必死な殺陣が対照的で良かったですw

ここにいては長屋の人たちに迷惑がかかると、「江戸の佐々木家へ戻る」とハッキリとイシさんは言います。

ですが長屋の人たちへお礼の言葉を伝えられないままで去ることとなってしまいました。

 

イシさんが消えてしまって2日、長屋の人たちはお世話をしていたお鈴の姉 お仲を責め立てます。

それでも、誰もイシさんの行方がわかりません。

ここで権六が慌ててやってきます。

水を飲んでも落ち着かない権六、イシさんの正体を長屋の人たちに告げます。

「お武家様だったんだよ!」と大騒ぎな住人たち。

近江安土へ出立となる前に「品川宿」で休憩するイシさんを見送るため江戸長屋の人たちは急ぎます!

 

「先生ー!!」

籠に揺られていたイシさん、江戸長屋の人たちと再会します。

ここでのイシさんのステキな武家のお衣装に「わ~」と一人で見ていても言わずにはいられない声が出てしまいましたw

カッコよすぎです!

髪型は月代でおでこから上は剃られてた姿になっています。

どんな姿でも良く似合うのが轟悠さんです!

画面越しでしたが、本当に見惚れてしまいました!

 

長屋の人たち、寺子屋の子どもたちとのお別れのシーンは、宝塚を去る轟悠を見送るような場面のように思えました。

真々と麗々も見送りに来てくれましたが、お鈴は姿を現しません。

どこかで「いしや~きいも~」って言ってるだろうと軽く笑っているイシさん

 

「この街道に続く道でいつでも会える」

そういうイシさん、泣きそうな顔をしていました。

 

「みなのもの、さらばじゃ」

「すべてはうまくいく、まるで芝居のように

人生は芝居じゃ」

ここはまるで轟悠さんが自分に言い聞かせているかのように感じました。

 

長屋の人たちと別れた後、イシさんはジイに問いかけたセリフ

「これからどうなる?知らない世界だ」

 という現実にも通づる言葉にハッとしました。

 

ここでジイは長く生きたもののアドバイスをイシさんに切々と語ってくれます。

「明日は行くものではない、来るもの」

「明日のことはわからない

明日は来るもの

来た日を間違わず正しく生きる

今日を生きたものの務め」

 

迷いはあるものの「明日まではイシ先生だ」というイシさん。

ここで

「いしや~きいも~」

とお鈴の声。

 

お鈴を思ってイシさんは最後に

「世話になったな、さらばじゃ」

 

そして、1幕の冒頭でも歌っていた歌を一人で歌い上げます。

♪轟け、轟け、わが心

この命 燃やし尽くすまで♪

歌い終えると、笹竜胆の紋の幕の前で着物のえりをただす仕草。

ここがとってもカッコよかったです!

こんなに魅入ってしまう仕草は、今まで見たことがないです!

襟元をなぞってピシっと前を向いたときの視線の鋭さ、しびれました!!

ラストで一番心が動きました!

宝塚人生のすべてを出し切った轟悠さんの男役としての姿を画面越しですがしっかりと目に焼き付けました。

感動という言葉では言い表せないほど、目の前に立つ凛とした姿に「轟悠さんのこの姿が観たかったんだ!」と最後の最後で感じることができたこと、この舞台を観劇できてよかったと改めて思えました。

 

こんなに感激した後でしたが、幕が下りるまでまだ感動が止まりませんでした。

「ハハハ!」

と寂しそうに笑ったあと、悲しげな潤んだ瞳。

そして笑顔。

舞台に背を向けると、後ろ姿のまま幕が下りました。

 

ラストの場面、いろんな感情がこみ上げてきたような表情と潤んだ瞳、観ているだけで切なくなりました(/_;)

その後の笑った顔は「寂しくはないから心配しないで」と言っているかのように感じました。

 

そしてフィナーレは、寂しさを吹き飛ばすように「お祭り」のシーンを再現したようでにぎやかでした^^

轟悠さん、汝鳥伶さん、星組生、全員とってもいい顔をしていました!

寂しくもあり、心がスッとするようなイシさんの活劇も観ることができてとってもステキな舞台でした^^

宝塚の良さが詰まった舞台を、今しか観られない舞台を観ることができてとても幸せな気持ちになれました!

 

まとめ

轟悠さんが登場するどの場面を見ていても、宝塚の財産がいなくなってしまう寂しさを感じました。

お着物の所作や優雅なしぐさ、涙がでるほど美しかったです。

共演した星組生たちは、最後の舞台を共にして嬉しくも寂しい気持ちだったんじゃないかと察して、また泣けてきました(/_;)

轟悠さんが宝塚に残していったものは、また宝塚の歴史として積み上がっていくことになるんですね。

この舞台を観劇して100年以上続く宝塚歌劇の歴史のひとつを一緒に感じることができたのかなと、おこがましくも思ってしまいました^^;

ステキな舞台を観ることができて、見終わって幸せで切ない気持ちになりました。

轟悠さんの今後の活躍を願っています!

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