宝塚歌劇 雪組「シティ・ハンター」をライブ配信で観劇しました。
雪組トップスターコンビ 彩風咲奈さん、朝月希和さんの大劇場お披露目公演です。
少年ジャンプで連載していた人気マンガの舞台化、どんな感じなのか観てみたいと思ったので観てみることにしました。
雪組「シティ・ハンター」の観劇レポートをまとめました。
雪組「シティ・ハンター」感想!
- 観劇日:2021年9月13日(月) 千秋楽
- 劇場:宝塚大劇場
- 作・演出:齋藤吉正
冴羽獠を演じた彩風咲奈さんの衣装や雰囲気、拳銃の扱いなどとっても素敵でした^^
朝月希和さんの香、ミック・エンジェルを演じた朝美絢さんなど皆さんキャラクターになりきって振り切り過ぎなくらいの演技が最高でした。
雪組生全員で「シティ・ハンター」のキャラクターの魅力をしっかりと伝えてくれているように思いました。
よかったシーンとしては、専科の夏美ようさんと彩風咲奈さんが銀橋で歌う場面がかっこよかったです!
縣千さんのスキンヘッドでグラサンの海坊主役で見せたつぶらな瞳、良かったんじゃないかと思います。
グラサンの下はずっとキラキラメイクしてたのかなと思って笑っちゃいました^^
ここからは作品内容の感想です。
ちょっと辛口の感想となりますので、ご容赦ください。
齋藤吉正せんせいの作品、色々と予想をしていたんですがその予想を遥かに超えていました!!
- 原作の良いとこ取りで欲張った結果、中途半端でまとまらない内容
- キャラクター出しすぎで全くメインのストーリーが見えてこない!
- そもそもメインストーリーは何だったのかという観劇中に迷子
- 舞台上にあるスクリーンでの演出が多すぎて登場人物に目がいかない
など、気になることのオンパレードでした。
あえて「定番」や「お決まり」のタイミングを外してみる、斎藤せんせいはこんな演出をよくするように思いますが、これがハマらないことが多すぎます。
なので、「Get Wild」のタイミングはオープニングの場面だったと思います。
スクリーンに映し出される宣伝の画面に「ベルサイユのばら11月上演」とか書いてあって「え?やるの?」と勘違いしてしまいそうな演出はやめてほしかったです。
全体的に「シティ・ハンター」のハイライトを盛り込みすぎで欲張り過ぎた結果、どの場面も印象が薄くなっていたように思いました。
一場面でキャラクターが大勢でしゃべりすぎて、内容についていけないしストーリーに集中できない、、、と思っていたけど話が進んでいるかどうかもわかりにくい展開が続くという、、。
一番「これはないんじゃない?」と思ったのは、この作品で雪組トップお披露目となる彩風咲奈さんの最初の登場シーン。
冴羽獠の行きつけのバーでただお姉さんたちとカクテルを飲んでいるという場面でサラッと登場。
この後、出演者が大勢出ての賑やかなオープニングだったので彩風咲奈さんの登場はここまで溜めておくといいのに!と思ってしまいました。
冴羽獠のキャラについては、最後までただのおちゃらけた人という印象に見えてしまって残念。
冴羽獠の普段のだらしない姿が多すぎて、カッコいいシーンとの落差をもっと付けたほうが「シティ・ハンター」感が出たんじゃないかと思います。
冴羽獠とパートナー香との関係性や距離感も全然つかめず、なんで冴羽獠はモテるのかという魅力ある部分がまったく見えてこなかったところが本当に残念です。
新宿の街での「シティ・ハンター」の知名度があるのかどうか観ているほうはわからないのに「本物のシティ・ハンターはオレだ」と言われてもピンときませんでした^^;
「シティ・ハンター」の原作を知っていなくても誰が見ても大丈夫、という意識があったんだろうかという疑問も湧きました。
登場人物や内容の説明役に亡くなった香の兄 槇村をずっと登場させておくというところ、説明を付けなきゃ見てられないような内容にしなければこんな役まわりにしなくていいのに。
あの寡黙で真面目な人気キャラ槇村が怨霊のようにつきまとっていたので、「シティ・ハンター」感がまったくなくなってしまってました。
ちなみに槇村が死ぬ間際に持っていた赤い箱(指輪の箱)は、香の実母の形見の指輪が入っていたもの。
※槇村と香は血が繋がっていない兄妹。
ラストに冴羽獠が香に渡していましたが、なにも説明なしという、、、ね。
マンガ原作がある作品の舞台化は、ファンがいたりマンガのイメージが強すぎたりと色々あるので賛否両論は仕方ないですことですが、せめて話はまとめてほしいと思いました。
タカラジェンヌさんはプロの舞台人としてのスキルが十分にあるのに、本当にもったいないと思ってしまいました。
雪組「シティ・ハンター」原作ストーリーはどの場面?登場キャラも同じ?
原作ストーリーと同じだったシーンは、
- 冴羽獠の過去について、海原神(夏美よう)に育てられて傭兵となっていたこと
- 傭兵時代に海坊主(縣千)と出会っていたこと
- 日本でシティ・ハンターをする前はアメリカでミック・エンジェル(朝美絢)とコンビを組んでスイーパーをしていたこと
- 日本での最初のパートナー槇村が麻薬組織 ユニオンペオーテに殺されてしまうところ
- 女優 宇都宮乙の生命保険の掛け金を報酬に、という部分だけ原作と同じ。
- 海坊主は猫が苦手
など、原作で出てくるエピソードはもっとありましたが多すぎです。
ミック・エンジェルが香を本気で好きだったという話も原作と同じですが、それまでの過程が省かれていてラストに告白シーンだけ見せられても、なんだか何も伝わってこなかったですね。
まとめ
宝塚歌劇 雪組「シティ・ハンター」を観た感想をまとめました。
マンガ原作の作品といえば、2015年に雪組で上演された「ルパン三世」(小柳奈穂子先生演出)はとっても面白かったのに演出家が違うだけでこんなにも変わってしまうんですね^^;
「ルパン三世」の原作モンキー・パンチ先生は良い評価をしてくださったと知って当時嬉しかった覚えがあります。(小栗旬さん主演の実写映画「ルパン三世」はかなり酷評されたそうです^^;)
今回の「シティ・ハンター」を観て作者の北条司先生はどう思ったんだろう、、、気になるけどもあんまり知りたくないなと思ってしまいました。