宝塚歌劇の演出家 上田久美子先生!
宝塚歌劇の入団のきっかけや演出作品について気になることをまとめました!
目次
上田久美子先生の経歴と入団のきっかけ
まずは上田久美子先生の経歴から紹介します。
上田久美子(うえだ くみこ)
- 出身:奈良県天理市
- 最終学歴:京都大学文学部 フランス文学専攻
- 好きな作家:アンドレ・ジッド、レイモン・ラディゲ
フランス文学が好きで、卒業論文のテーマは「フランスの哲学書」についてでした。
『熱烈な宝塚ファンではなかった』と公言している上田久美子先生は、学生時代は歌舞伎や能の舞台を観劇することが多かったといいます。
宝塚との最初の出会いは大学生の時。
「ベルサイユのばら」をテレビで観劇して「古式ゆかしい舞台でレトロで華やかな世界」と感じて興味を持ちます。
「舞台上で男役が見栄を切る姿に感動した」という感想は、歌舞伎が好きだった上田久美子先生ならではの感じ方だなと思いました。
宝塚に入るきっかけは、社会人を経験したことで感じた「このままでいいのか?」という不安から。
上田久美子先生は大学卒業後、2年間は製薬会社でOLとして勤務しましたが、会社の風習に葛藤して過ごしていました。
そんな時に宝塚歌劇の演出助手の求人を知って願書を出すことにしました。
入団のきっかけは「転職がしたい」というシンプルなもの!もちろん宝塚への興味はあったというのも事実ですので補足しておきます(笑)
宝塚歌劇の入団試験
入団試験では、「輪廻転生」をモチーフにした「ウルトラバロック・レビュー」の企画書を提出。
なんと上田久美子先生は、入団当初は「ショーの演出家」希望!
「ショーの演出家」を選んだ理由は、たまたまテレビで見た宝塚の演出家である岡田敬二先生と「ショーの演出家」という職業を知ったことからでした。
岡田敬二先生のショーといえば、レビューの本場パリの雰囲気を感じる華やかで落ち着いたステキなショーなんですよね、個人的に大好きです^^
岡田敬二先生が演出家を志す原点だなんて、上田久美子先生について増々興味を持ってしまいます!
無事に入団試験に合格した上田久美子先生ですが、デビュー作はお芝居の演出家でした。
入団後に試験で提出した企画書について試験官をしていた演出家の先生方は「ようわからんかった、芝居やったほうがええ!」と言われてしまったのだとか^^;
それでも入団から12年後、念願の宝塚ショー演出家デビューを果たしています!
2018年に初めて演出をしたショー「BADDY(バッディ)」は今までの宝塚にはない挑戦的な作品でした!個人的には大好きな作品です。
宝塚歌劇入団後の経歴と評判は?
●2006年 宝塚歌劇団の演出助手として入団をします。
●2013年(入団8年目)演出家デビューを果たします。
月組バウホール公演「月雲の皇子 -衣通姫伝説より-」は、再演するほど好評で一気に宝塚歌劇の演出家として注目されます。
この作品は、入団5年目あたりで脚本を書く練習も兼ねていた作品のひとつでした。
文学好きというだけあって、作品の幅が広いという印象を受けました!
古事記を選ぶあたりは歌舞伎の影響もあるのかなとも思ったり、上田久美子先生の作風には毎回ワクワクしてしまいます^^
●2014年の宙組シアタードラマシティ公演「翼ある人びと -ブラームスとクララ・シューマン」は、第18回鶴屋南北戯曲賞の最終候補に残りました!
名だたる日本の有名演出家が候補に上がる中、これはかなりすごいことです!
過去には、野田秀樹さん、三谷幸喜さん、マキノノゾミさん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんなどが受賞しています!全員が日本の演劇界を代表する有名演出家ばかりです!
●2015年 雪組「星逢一夜」で大劇場の演出デビューを果たします。この作品は第23回読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞します。
●2018年 月組「BADDY -悪党は月からやって来る-」で念願のショーの演出家デビューを果たします!
これも話題沸騰のショーデビュー作となりました!今までのショーの常識を全部ひっくり返す衝撃の作品!私が今まで観たショーの中で一番面白かった作品でもあります^^
【2019年上田久美子演出作品】
上田久美子先生のおすすめ作品!
個人的に上田久美子先生が演出したおすすめ作品をまとめました!
実を言うと全作品おすすめなのですが(笑)3作品に絞ってみました。
●ショー・テント・タカラヅカ「BADDY-悪党は月からやって来る-」
【2018年月組公演・主演:珠城りょう】
宝塚の今までの伝統を組み込みつつ、新しいことに挑戦する姿勢が斬新な作品でした!
上田久美子先生の演出は、お客さんの目線をしっかりと把握して舞台作りをしていると感じずにはいられません!
どうすればわかりやすい舞台になるか、出演者がどうすれば舞台に映えるかを表現するのが上手い!!観客の見たいものを観せてくれているのが分かります!
観客と舞台との距離を限りなく近づけてくれるので、ショーでの理解不能な演出で置いてきぼりを感じることが全くないです。
そして最後まで楽しく観ることができるところが当たり前のようでいてスゴイところです!
●星逢一夜
【2015年雪組公演・主演:早霧せいな】
歌舞伎の舞台のような奥行きのあるセットが印象的でした。
時代物の物悲しいストーリーをラストで少し払拭する演出が素晴らしかったです。
子供時代も同じ役者で通すというところも新鮮でした。
●神々の土地-ロマノフたちの黄昏-
【2017年宙組・主演:朝夏まなと(退団公演)】
舞台全体が極寒の土地ロシアに染まる雰囲気作りはさすがでした!
大階段を使った赤い絨毯のシーンは息を呑む迫力!
愛月ひかるさん演じるラスプーチンの怪演を引き出したところもすごいです!!
退団公演としても「サヨナラ感」を出しすぎてない丁度いいところが良かったです。
まとめ
演出家の上田久美子先生は、OLとして2年勤務した後に宝塚歌劇へ2006年に入団しました。
会社員に不安を感じたことと転職のタイミングが「演出助手の求人」と同じだったことで願書を提出したことが宝塚入団のきっかけでした。
2013年に初演出作品 月組「月雲の皇子」での公演が再演にもなるなど好評でした。
2015年に雪組「星逢一夜」で読売演劇賞の優秀賞を受賞するなど、演出家としての評価も高まってきています。
『宝塚を良いカタチで存続させたい』という上田久美子先生の使命感がステキだと思いました!
私が今も宝塚の舞台を観るのが楽しみになっているのは上田久美子先生が宝塚にいるから!
これからも「上田久美子演出」作品を観ていきたいです!